歯の移植

歯を失った場所に入れ歯やインプラントを施すのはよく知られていますが、そのほかの方法として、自分の歯を移植する方法もあります。

たとえば奥歯を失ったような場合であれば、自分の親知らずを抜いて移し変えるという方法がとられます。

もっともこれは、親知らずがきちんとはえている場合にかぎられます。
水平、あるいは斜めになっていて骨につつまれたままの親知らずは、残念ながら移植には向いていません。

そのような親知らずはかんたんには抜けませんし、抜いている最中に、歯のまわりにある「歯根膜(しこんまく)」という大事な組織を傷つけてしまうからです。

移植した歯がうまく骨にくっつくと、本来の天然の歯でかみ合わせを回復できますから、自然な感覚のまま食べたり、しゃべったりすることができます。これが移植治療の最大のメリットです。

この感覚が維持されるのは、前述した歯根膜(しこんまく:歯をつつむ膜)があるからです。
歯根膜は食べ物をとらえた瞬間にわずかに沈んで衝撃をおさえたり、反発したりしながら、スムーズな咀嚼サイクルを保ちます。

歯根膜の機能は非常に奥が深く、膜が沈んだとき、それが硬い食べ物であれば硬いものなりの食べ方をするようにとの情報を一瞬にして脳に伝え、脳は咀嚼筋にそのような食べ方をするための指令を出します。

このように歯根膜は歯自体を守りながら、食事に快適なリズムを与えるのです。

歯の移植は歯根膜の機能を維持することにより、天然の歯の持つ特性をそのまま活かすことができますから、処置後は違和感なく回復してゆきます。

歯は大事、特に歯根膜は大事なのです。
 

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