初心忘るべからず(猛省)

先日、大きなむしばができて、とても痛いという方がいらっしゃいました。

私はいつもどおり、「むしばが大きく広がって、神経にまで達していますから、神経の治療をしましょうね・・」と説明しました。

私自身はごくふつうに説明を終えたつもりでいたのですが、その方は、「じゃあ、つめてもらえるんですね?」と言われました。

私は一瞬、「え?」・・その意味がよくわかりませんでした。
といいますのは、むしばが神経にまで達しているのだから神経の治療をするのはあたりまえなのに、つめるとは一体なぜ・・と私のほうがとまどってしまったのです。

でも、徐々に(この会話において)私のほうこそ思い違いをしているのだということがわかってきました。

つまり、『むしばが神経に達していたならば神経の治療をする』という常識は、毎日その種の治療にたずさわっているから常識としてとらえることができるのであって、何年かぶりに歯科治療を受けることになった方にとっては、『穴があいているのだから、何かつめるにちがいない』と考えるほうがふつうなのです。

そんなかんたんなこともわかっていない、というかとうに忘れてしまっている自分がとても情けなくなってしまいました。

自分のあたりまえが、かならずしも患者さんのあたりまえとは一致しないのだという初心者でもわかることを、私は見逃していたのです(今回はあらためて認識するよい機会となりました)。

たとえ何年、何十年とキャリアを積んでいたとしても、患者さんの純粋な気持ちや素朴な疑問をわかってあげられないのであれば、まったくむだな年月をすごしていたとしか言いようがありません・・。

反省します。いえ、猛省です。
 

Filed under: むしば,反省 — admin 21:08