歯の変色
変色歯:歯が変色する原因はさまざまですが、抗生物質の摂取や神経を抜いたことによるものなど、ホワイトニングでは改善しないケースも多く見られます。
特に生まれつき歯の表面が縞模様になっている場合はセラミッククラウンでカバーする方法がより確実だと思います。ホワイトニングでも多少は白くなるのですが、全体的に白くなったとしても問題の縞模様を消すことができません。とは言えホワイトニングはやってみる価値がありますので、セラミッククラウンの前にぜひ一度試しておきましょう。
では変色歯の治療例を見てみましょう。
変色歯の治療例(歯の縞模様)
歯の表面に縞模様のある歯をセラミッククラウンで改善しました。縞模様はホワイトニングで改善することがむずかしいため、セラミッククラウンを用いることが多いです。この機会にかみ合わせも整えました。
この方のように歯のつけね部分の色調が濃い場合は最初からセラミッククラウンやラミネートベニアで色調を改善することが多いのですが、うっすらと全体的にうすく現れている縞模様の場合はホワイトニングで白くなる可能性が残されています。その場合はまずホワイトニングから始めてみると良いでしょう。
歯の変色に対する治療方法の使い分け
確実に色調を改善したい場合 → セラミッククラウン、ラミネートベニア
今より少しでもいいので白く明るい色調にしたい場合 → ホワイトニング
いずれのケースにおいてもまずホワイトニングでどのくらい明るくなるかを予想してみることが大事だと思います。そして必要に応じて一旦ホワイトニングをためしてみることもおすすめします。
歯に縞模様が生じる主な原因
歯に縞模様ができる原因は、石灰化不全、テトラサイクリン系薬剤の長期服用などが考えられます。
石灰化不全
乳歯における石灰化不全は母親の胎内にいる時点で母親の服用した薬剤の影響によって起こる可能性があると考えられています。そのほかに早産によっても起こる可能性があります。永久歯の石灰化不全は熱性疾患や栄養障害、フッ素の過剰摂取などが原因で起こると考えられています。
テトラサイクリン系薬剤の影響
テトラサイクリン系薬剤の影響によるものは、乳児期から6、7歳くらいまでのあいだに本人がその種の薬剤を長期間服用した場合に起こると考えられています。ちょうどその時期は永久歯の象牙質が形成される時期に重なるため、象牙質の形成になんらかの影響をおよぼし、その結果変色が起こるとされています。
テトラサイクリンは昭和30年代後半から40年代くらいまでの間に多く処方されていましたので、そのころに該当する年齢の方たちにこのような変色が特徴的に現れているようです。また影響を受けた時期によって縞模様の濃い部分の位置が歯の先、中ほど、付け根とちがいがあることも特徴のひとつで、紫外線にさらされた時期も関係があるとされています。
縞模様は深い部分にまで及んでいます
注目していただきたいのは、写真中段でわかりますようにどんなに歯をけずっても縞模様は消えないという点です。縞模様は歯の深部にまで及んでいるという点が特徴的です。