合着材から接着材へ

セメントをご存じですか?

つめもの、かぶせもの、セラミッククラウンを装着する際に用いるレジン系セメントの写真です。
つめもの、かぶせものを歯に装着する際に、セメントという装着材料が用いられます。


わたしの父の時代は、エリートセメントというリン酸亜鉛系のセメントが用いられていました。

わたしの時代はグラスアイオノマーというセメントが主流でした。
近年はレジン系セメントが主流です。

そのどれもが、その時代におけるベストなセメントです。

ですが材料というのは次々に改良が加えられたり、新たにすぐれたものが登場したりしますので、過去の材料に弱点が見いだされることは否めません。

たとえばエリートセメントという装着材料は、厳密には合着剤という分類にあてはまります。

つまりあくまで合着効果(機械的嵌合効果)主体で、接着効果がほとんど期待できない性質であるということを表します(接着効果があるほうがよいと現在は考えられています)。

かぶせもの(クラウン)と歯本体との適合が良好であれば、長期にわたって安定を保つことができますが、それでも月日とともに徐々に崩壊が起こり、やがて空隙が生じることが多いようです。

グラスアイオノマーセメントには接着効果があります。
グラスアイオノマーセメントにレジン成分を加えた改良型のセメントは今なおすぐれた接着剤として用いられています。

ただし、粉と液を混ぜ合わせる比率と操作に誤差が生じやすいため、物性にムラがある点にやや不安を感じます。

最も安定感があるのは接着性レジンセメント

それらの問題点をほぼ解決したものが接着性レジンセメントです。

粉と液を混ぜ合わせる方法とはちがい、2種類のペースト等量を自動練和するミキサーが混ぜ合わせてくれますので、操作上の誤差やエラーは起こりにくくなりました。

クラウンの内面にも、歯本体の表面にも強固に接着しますので、確実な治療を期待することができます。